【エジプト】アスワン

「なんかこの時計おかしいよ」
ルクソールからアスワンへの移動日（8月11日）は、ちょうどラマダンが始まる日でした。
1ヶ月間、日出から日没まで、飲み物・タバコを含め一切口にしない、断食月です。
駅で一緒になった、日本人で小学校の先生をやっている人と、プラットフォームで電車を待っていました。
腕時計は9時を指していましたが、プラットフォームの全ての時計は6時くらいで止まっています。
「そおっすねー」
と相槌を打っていると、プラットフォームの時計が急に早く動き始めました。
「うぉ、暑さで時計が狂い始めた」
エジプトなので、もはやそんなことに驚かなくなっていましたが、時計は8時あたりで、一斉に止まります。
「1時間早くないか？」
「そーっすね。電車は9時半に来るはずなんですがね」
その辺にいたエジプト人の腕時計を覗き込むと8時あたりを指しています。
「！！」
そういえば、ネットのニュースでエジプトに関する記事を拾い読みしていたとき、酷暑での断食は厳しいので、ラマダン中は1時間時刻を遅らせるということを思い出しました。
エジプト政府が勝手に決めたことらしく、国民は混乱するからやめてくれと抗議したとか書いてありました。
ということで、一時間多く電車を待たなければならないことなってしまいました。

アスワンもツーリスティックな街です。
スーク（商店街）を歩いていると、ルクソールよりも激しく客引きが声をかけてきます。
ティッシュペーパーを買おうと売店に行くと、
「1個、1ポンドね」
「はぁ？クオーター（0.25）ポンドでしょ」
「それはエジプシャンプライス。ツーリストは1ポンド」
と行って来ました。
こいつら、公然と二重価格の存在を口にしてきます。
これまで、たくさんのボッタクリ国家を旅行してきましたが、こういった返事が返ってきたのは初めてです。
観光地としてのエジプトは人気が高く、個人旅行者もツアー旅行者もよく見かけますが、旅行者と話をしてみるとエジプシャンへの評価はかなり低いものでした。

スーダン行きの船を待つために、5日ほどアスワンに滞在していましたが、いよいよ明日出航です。

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アスワン駅。ルクソールからは電車を使ったが、エアコンも効いているし、座席もゆったりで、なかなか快適だった。ただし、ゴミが多い…ゴミ箱設置すれば解決すんのにな。


リッチな旅行者は豪華客船でナイル川クルーズなんかするんだろうな。フルーカと呼ばれる帆船で中州に渡ったり、観光したりもできるぞ。


午前3時にたたき起こされて、アブ・シンベル神殿へのツアーが始まった。


アブ・シンベルはスーダンの国境に近いナセル湖の畔にある、ラムセス2世が建てた神殿だ。


ナセル湖はアスワンハイダム建設時に造られた人工湖だ。アブ・シンベル神殿は水没する運命にあったのだが、ユネスコと世界各国の協力により今に場所に移された。


こいつがアブ・シンベル大神殿。でっかいっす。中は残念ながら撮影禁止だ。


こいつがアブ・シンベル小神殿。でかいっす。中は残念ながら撮影禁止だ。


お次は、イシス神殿。イシス神殿はナイル川の中洲にあるので、船で渡らなければならない。ここでも、強欲エジプシャンがぼったくろうとするのだ。ここは同じツアーバスに乗っていた欧米人の出番だ！私のようなシャイで内気な日本人達は後方で応援。寄ってたかって抗議し、乗船料を下げてくれた。ご苦労さんです。


イシス神殿も立派じゃん。


神殿内はライトアップされている。レリーフが浮かび上がってきれいだ。


ヒエログリフは解読可能だ。大英博物館にあるロゼッタストーンにより、アルファベットとの対応ができるのだ。ヒエログリフで名前を彫ってもらったりもできるよ。


イシス神殿から見た、アスワンダム。実はアスワンハイダムの見学もツアーに含まれていたのだが、ガイドのおっちゃんが、「しょぼいけど20ポンドも払わないといけないぜ。そんなに見たい？」と聞かれ、見るのをやめてしまった。同様に、「切りかけのオベリスク」という、巨大石切り場も柵越しにチラッと見えたので、皆「行かなくてよし！」との結論になりスルーした。外人たちもこの暑さには相当参っているようだ。


アスワンのマクドナルド。スカーフも赤で揃えている。宗派によっては、真ん中の姉さんのようにスカーフしてない。しかし、マクドナルドやKFCには助かってるぜ。ラマダン中はロクに店も開いていないし、クソ暑い食堂で食おうにも食欲がわかないんである。