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2010/10/15

【ナミビア】エトシャ国立公園





レンタカーツアーもようやく最終章です。

エトシャのサファリの個人的な感想は、来なくてもよかったかなといった印象でした。
ドイツ人との仲が最悪になってしまっていることを差し引いても、エキサイティング度はサマイマラにには勝てませんでした。

ヴィントフックへの道のりは、舗装されているので行きよりも楽です。
一応、無事故で帰れたことはなによりです。

お次は、アフリカ最後の国、南アフリカです。

--

とうとう来ましたエトシャ国立公園。なにが飛び出してくるのか、楽しみだ。


スプリングボックとシマウマばっかりじゃん。


おお、キリンじゃん。マサイマラのキリンとは少し模様が違う気がする。でも、チーターくらいレアアニマルが出てこないと、サファリ慣れしている俺たちを満足させることはできないぜ。


道を横切るゾウ。


まってました!ナイトサファリ。ライトアップされて幻想的だ。


シロサイのお出ましだ。


辺りを注意深く見渡してから、水をがぶ飲みするキリン。首が長いから屈むの大変そうっすね。


昼間の水辺は草食動物ばかりだ。


オリックスかな?賑わっとります。こんな感じで、エトシャのサファリは終了!

--
特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【最終章 ナミブのことも、夢のまた夢】

「ナミビア」とは、こちらの言葉で「何もない」という意味だそうだ。
何もないってのが、国名の意味って、どういうことよ?
わけわかんないっすね。

翌日、意気揚々と後部座席に日本人3人が並び、エトシャ国立公園に向かった。
運転はロン(リサのこと)だ。
こいつの運転中の行儀が悪いったらありゃしない。
動物を発見して興奮のあまり、急ブレーキをかけるし、片足を座席に組みながら運転するし、やっぱ車の運転にそいつの性格が反映されるのは納得だ。
おまけに、興奮のあまり、ハンドルから手を離してしまい、助手席のソフィーが操縦するという、トンチキっぷり。
動物よりこいつら見てる方が、面白いわ。
しかも、彼女達はケープタウンの宿でカメラを失くしており、私のカメラを自分のもののように扱う始末。

呆れてモノが言えまへん。

そんなことは、どうでもいい。
つまらな過ぎるんである。
登場する動物は大量にいるシマウマやスプリングボックスなどの草食系ばかりで、既に見飽きている。
たまにキリンやゾウが登場するのだが、どうもときめきが少ない。
マサイマラ国立公園でほとんどの動物を間近で見てしまっているし、やはり初見の感動は超えられないものである。
さらにR君とEさんはボツワナのチョベ国立公園にも行っていて、ゾウの大群やカバなんかも見てきており、マサイマラより満足したという感想だし、この程度では驚きやしないのである。

駄目出しばかりで申し訳ないが、エトシャ国立公園の地形やゲームサファリのやりかたも、気分が高揚しない原因の一つといえるのだ。
まず、地形が平坦でブッシュが茂っているため、遠くまで見渡せず、動物が見つけにくい。
マサイマラは山あり、丘あり、窪地ありと起伏に富んでいて、遠望が利くので、動物を見つけやすい。
また、エトシャは道から外れて運転することが許されないので、マサイマラのように、自由に動物を探索したり、近づいたりすることができないのである。
おまけに、こちらは乾期で、公園にある巨大な池が干上がってしまっていて、水辺に集まる動物を鑑賞できない。
人工的に作ってある水場が所々あるので、そこを車で回って、水を飲みに来ている動物を狙うしか基本的にはないんである。

そんなわけで、キャーキャー騒いでるドイツ人の後ろで、日本人3人はアホ面で大爆睡になってしまった。
なんでこの日本人は寝てられるんだろう?と彼女達は訝しんだに違いないが、大騒ぎしている彼女達の前で、エトシャは大したことないんだよねー、何て決して言えないっすわ。

前述したが、ここは夜の方が面白いんである。
キャンプサイトのすぐ近くに、大きな水場が作ってあり、夜そこに集まってくる動物達を見ることができるのだ。
夕食を済ませて、ちらっと様子を窺いに行くと、おお、動物達が集まっているじゃないですか。
しかも、ゾウやキリンなどの大型動物が大量だ。
こりゃ、写真に収めねばとカメラを車に取りに行くと、ドイツ人が寝仕度をしている。
しゃーない、ここは親切に情報を提供しよう。
「水場見にいった?たくさんゾウとかきているよ」
「そうなんだ。うーん、今日は疲れたからもう寝るわ」
「あ、そうなんだ…」
はぁ、びっくらこいた。
ナイトサファリを見ないでどーすんのよ?
スラムダンクで言えば、インターハイの豊玉戦だけ見て、感動の山王戦を見なかったのと同じじゃねーか。

再度、水場へ足を運んでみると、マサイマラではチラっとしか見られなかったサイがいたのだ!
しかも、マサイマラはクロサイだったが、今回はシロサイが4,5頭もいるではないか。

ライトアップされた、夜の水場は厳粛な雰囲気だ。
動物達を脅かさないよう、見物者は音を立てずに、小声で話している。
一眼レフのシャッター音ですら気を使ってしまうくらい、静寂に包まれており、たまに大型動物が石をゴリゴリと踏んで歩いてくる足音がするくらいなのだ。


この水場は柵でキャンプサイトと区切られていて、ベンチに座ってじっくりと動物と対面できるし、すぐ近くに立てられたロッジの宿泊者は窓から動物が見れてしまうという贅沢な仕掛けになっているのだ。
これを見逃すとは、あの子達は何を考えてんだろ?
バシバシ写真を撮って、日本人一同大満足で床に就いた。

次の日は、もうこれ以上見るものはないと判断し、我々はキャンプサイトに残り、彼女達だけでゲームドライブをしてもらうことにした。

後は、ヴィントフックに帰るだけだ。
あー、長かった。

この彼女達との顛末は自分の中でどう始末をつけようか考えてみた。
もはや滑稽劇にするか、なかったことにするしかない。
私は、前者を選ぶことにした。
彼女達には後者を選んでもらうことにする。

エトシャ国立公園からヴィントフックへは、道が舗装されているので、サクっと帰ることができた。
ヴィントフックに帰ってから、キャンプ用品を返したり、レンタカーを返したりとする中で、一々彼女達にはイチャモンつけられたりしたが、もはや瑣末なことなので、ここで言及はしない。

ケープタウン行きのバスが出る日まで、特にやることはなかった。
宿では、お互い口も利いていない。
話かけてきたのは、彼女達からだった。
「ねぇ、あなたの写真このSDカードに全部いれてくれない?」
カメラを失くしているので、これまでの写真は全部私のカメラで撮っていたのだ。
「あぁ」
と、一応、返事をしておいたものの、どうも気が進まない。
あれだけの仕置きをされているし、そもそも写真をあげる義理なんかないのである。

しばらくして、空のSDカードを返してやると、写真の中身をチェックしたいと言って来る。
ぐむむむ、抜け目ない奴だ…
ここで、私は一考を講じた。
私の持っているSDカードに写真を入れ、あらかじめノートPCに差しておき、たまさか彼女達のSDカードの写真を見ているようにして、空であることがバレないようにしたのだ。
ぐーむ、我ながら愚行をしたかなと思いつつも、彼女達に気苦労させられたR君もEさんも同じ思いだった。

これで、彼女達のナミビアの思い出は、夢のまた夢になった。
「ナミビア」だけに、何も無しだ!

こんな感じで、ナミビア道中膝栗毛は終幕っす。

気を取り直して、アフリカ最後の地、ケープタウンに行ってきマッスル。
さいならっきょ!

※時折、怒りのあまり、乱文、いささかはしたない表現を使ってしまったが、勘弁してくれい。

2010/10/13

【ナミビア】エトシャ国立公園付近



エトシャ国立公園外にあるキャンプサイトでダラダラ過ごしただけです。

ここで、恐れていた日独戦争が勃発しました。
一部始終は「ナミビア道中膝栗毛」でどうぞ。

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いつのまに、こんなにズタズタになった?R君が気づかなきゃ、ヤバかったなー。


で、でました!ヒンバ族。スーパーで買い物している所をパチリ。ってか、なんで直立不動なんだ?なかなか衣装は凝っているし、カッコイイ…かも。


ムルシ族と同様、こいつらも臭いし、金の亡者だ。いちいち、撮影代をあげなければならない。しゃーないな。肌が赤茶色なのは、蚊除けに泥を塗ったくっているからだ。少しだけ腕に塗ってもらいやした。


エトシャ国立公園外にある、キャンプサイト。プールまであって、なかなか居心地がよい。何にもないのに、ここで2日も過ごしました。


ウェルカムドリンクもあるし、レストランもあるし、サービスは充実している。ナミビアで意外だなー。


あまりにも暇なんで、テントを撮ってみた。ここまでくると、テント設営も手馴れたもんだ。

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特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【第六章 ロンが吼える!】

こいつら、ほとんど働かない。
テントなんかこれまで1回しかたてずに、いつも車の中で寝ているし、ほとんどガスバーナーを使った調理をせず、パンばかりかじっている。
まぁ、使ってないテントを私が独り占めできるのでいいのだが。
この辺はこちらとしては無害なのでよいのだが、車への荷物の積載の時はひどい。
ほとんど、日本人チームがやっていて、あいつらは、ダラダラと準備して車に乗るだけだ。

2人の担当は明確だ。
ソフィーはアイドル的な見てくれと、よく回る舌を活かした喋り担当、リサは自分をわきまえているのか、英語がそんなに喋れないのか、はたまた下品な笑い方で悪印象与えないようにしているのか知らないが、ヤクザの親分の様にソフィーの後ろで構えているだけの沈黙担当だ。

出発前にE君が、車のチェックをし始めた。
さすが、元レンタカー勤務、こんなもん朝飯前だぜって感じだな。
その折、タイヤがバースト寸前になっているのを発見した。
タイヤのゴムが酷く擦り切れていて、大きく削り取られていたのだ。
こりゃ、気づかなかったらやばかったね。
というわけで、エトシャに行く道すがら、タイヤ交換をする羽目になった。

途中、スペアタイヤに交換したり、新しいタイヤを購入したりと、無駄足を踏んだが、エトシャ国立公園に通ずる幹線道路に入り、久しぶりの舗装道路になって、ドライブが快適になってきた。

これまで、なんだかんだあったが、思ったより順調に移動できていたし、ヒンバ族の村があるオプオという街は、「別に行かなくてもいっか、ヒンバ族はその辺でも見られるし」と全員一致したので、8泊9日の予定より早く切り上げられそうだ。
残りは、エトシャ国立公園のサファリで、今日、公園外に1泊、明後日、公園内に1泊、公園がしょぼかったら2日後には、ヴィントフックへ帰れそうだ。

今日もR君の運転で、ぼちぼち公園の近くのキャンプサイトに着くころだった。
「あんたたち、どこ向かってんの?」
「ああ、今、この道を進んでいる。一応、このキャンプサイトでいいかなと思っているが」
「何言ってんの!私達はこのキャンプサイトがいいって言ったじゃない!」
いきなりバカ娘達が激高し始めた。
なんのことやら、わけがわからん、私とR君。
そんなこと知らんかったが、言った言わないの議論なんて、無駄以外の何モノでもない。
既にサファリに半ば興味のない私にとって、エトシャ国立公園は消化試合のようなものだ。
どこに泊まろうが、好きにしてくれって感じだ。

我々の一挙手一投足が彼女達の勘に触るらしい。
もはや、嫁、姑の関係だ。
あ゛ー、こいつらをチョイスしたのはそもそもの間違えだったかもなー。
お金以外のメリットがないし、そもそも楽しくないんである。

そんな後悔が、現実のものとなる。

就寝前に、明日の出発時間を打ち合わせようと、バカ娘のところへ行ってみた。

「明日、何時ころ公園に行く?」
「はぁ?何言ってんの?もう一泊ここに泊まるのよ。言ったじゃない!プールでリラックスするのよ」

またしてもこいつら激高、日本人一同、唖然。

「R君に絶対言ったわ。あなたOKと言ったじゃないのよ!」
「そんなの俺は聞いていないぞ。何いいよっとー」
と、R君は抗議。
私よりR君のヒアリングの方が信頼できるし、そもそも私とEさんはその話を聞いていない。
「この子ら、何いってはんの!」
Eさんも、マジ切れ5秒前。

あー、面倒くせーなこのクソガキ。

「つーか、このキャンプサイトで一日何するつもり?やることねーじゃん」
と尋ねる私。
「サファリの情報もないし、明日情報収集するのよ。どこに動物いるかしらないでしょ」
と答えるソフィー。相変わらず、ハリーポッターのロン似のリサは憮然として黙っている。
「それ、一日もかからんだろ。それに一泊無駄にするより、さっさとレンタカー帰したほうが安くつくんじゃね?」
「私達はアフリカをエンジョイしたいの!もう、アフリカに来ることないかもしれないのよ!ここにはドイツ人がたくさん来るから、いろんな情報が私達は手に入れられるの。例えば、この周辺にある、ローカルな村とかとても興味があるのよ!」
「ぷっ…」
思わず笑ってしまった。
そもそも私の質問に答えられてないし、議論の焦点がずれてきている。
最初はプールでリラックスって言ってたくせに、あまりにも子供じみていて、反論の言葉が思い浮かばないぜ…
「ヴィントフックに早く帰っても何もないわ!」
キャンキャンと子犬のように騒ぐソフィー。
それを見ているだけで、私は可笑しくて堪らないんである。

もちろんEさんもR君も、明日の一日を無駄にはしたくないのである。
そもそも、エトシャにそんなに期待をしていない我々だが、運転するのも我々である。
うーむと考えた挙句、我々のドライブのせいで、動物が見られなかったとか、後で文句言われるのも嫌だし、ここは交換条件で、そのリスクをヘッジすることにした。

「じゃあ、お前ら明日、どこに動物がいるのか情報収集をして、サファリ中にナビゲートしろ。」
「わかったわ。」

どーせ、あいつら、大半はプールでダラダラしているだけだろうけど、こちらで公園内のコースを決めたりする手間が省けたし、まあよかろう。
しっかし、あいつら、自分の主張だけは一丁前にするし、まったくもって友好的でない。
まるで、バカな中高生のギャルを引率しているようだ。
もちろん、こちらの英語のコミュニケーション能力が不足していることは否めない。
日本人特有の、察しと思いやりとか、本音と建前とか、西洋の慣習にはないものがあるのも確かだ。
しかし、同じ旅行者、同じ車に乗っているわけから、お互い歩み寄って然るべきだろう。
これまで、様々な国と地域からやって来ている旅行者に会ってきたが、多かれ少なかれお互いそのように認識していたはずだ。

そんなことより、明日何しよ。
俺達もプールでボサっとするしかねーじゃんよ。


翌日…

キャンプサイトの周りはサバンナでスーパーやネットカフェも何にもない。
ここで一日過ごすって、プールサイドで寝てるしかないのだ。
水着に着替え、パソコンやらガイドブックを持って、プールに行くと、あのお二方も既にいて、リクライニングチェアに体を横たえていた。
もち、お互い口も利かない。

こりゃ、冷戦状態だ。ぶるぶるぶる…

暑い中、プールに飛び込んで、横になっていると、毎日移動だったし、今日はのんびりしてよかったかもなー、という気になってきた。

当初の予定の1泊分の食料が浮く計算で準備していたので、明日以降少し足りないことがわかった。
よっしゃ、ここは奮発してキャンプサイトのレストランで頂くことにしよう、と日本人満場一致で決まった。
キャンプサイトのレストランは日本やヨーロッパのそれとほとんど変わらない店構えで、バンドの演奏まで付くときている。
しかも、ビュッフェで食べ放題だ。
毎日パスタパスタパスタで、もはやパスタが嫌いになりそうなくらい食っていたし、ヨーロッパ以来まともの西洋料理など口にしていない我々は、久しぶりのまともな食事に舌鼓を打った。
人間、たまにはこういう贅沢も必要だよなー、と改めて実感。

さてと、夜も更けてきたことだし、明日のサファリの予定とこれまで、ガソリン代やらを立て替えていたので、奴らに請求しないとな、と思い、ソフィーのテントのところへ行った。

あいつら、どれだけすごい情報を収集したのかと思いきや、トイレの場所とランチを取る場所を決めていただけだった。
おまけに、彼女達が当初どうしても泊まりたいといっていた、ハラリというキャンプサイトに変えて、違うところに泊まりたいと言っている。
どんだけ予定変更すれば気が済むんだ?

まぁ、いい。エトシャなんぞ大して期待していない。
我々の情報収集によると、夜に水場に集まってくる動物達を見るのがハイライトと聞いているし。

次に、これまでにかかった経費を清算してもらおうと、計算した紙を出した。
その瞬間、いつも黙っていたリサがビクっと反応した。
「このポリスって何よ?」
はっとした顔で、ソフィーも紙を覗き込む。
セスリムで無灯火の罰金を受けたので、そいつも5人で割ろうと思ったのだ。

「何考えてんの!あんたが罰金を受けたんだから、あんたが払いなさい!」

悪鬼の面でソフィーが激高し始めた。
平素、仏のtakaさんと言われている私も、さすがに頭にきた。
「ふざけんな、なんでR君一人が払わなければならない?我々はドライバーの持つこういったリスクを共有しなければならない」

R君をふと見ると、頭髪が黄金に輝いていた。
おお、遂に伝説のスーパーサイヤ人に覚醒するのか!覚醒してしまうのか!!
と思ったら、街灯が反射しているだけだった。
いや、ここにいる日本人3人はもはや、怒り心頭に発していて、スーパーサイヤ人に覚醒するに充分だ。

「そうだ、俺達はお前らのタクシーじゃないんだよ!」
とR君。
まったくもって、その通りだ。
2日目は私が運転したが、なにを隠そうその後はR君に任せきりだった。
がんばって運転しているR君に対して、いつも爆睡しているこいつらは、「Thank you for driving」の一言もない。
ドライバーに対してあんまりだろう。

「無灯火なんて、基本的なミスでしょ?教習所で習わなかったの?スピードもかなり出していたし、あれほどスピードを緩めてといったでしょ!」
また、トンチキなことを言い始めて、論点がズレ始めた。
論点も戻そうとギャーギャーと騒いでいるうちに、Eさんが日本語でキレた。
「もうえーわ!あんたらが出さへんのなら、うちが払ったるわ!」
と、金を取り出してぶちまけた。
これは、奴らにも伝わった様で、
「あなたが払う必要はないわ!なんで??」
と慌てふためく始末。

なんか、子供じみていて、怒りよりもむしろ可笑しみの方が沸いてきてしまうのだ。
へへっ、と笑うと、火に油を注いでしまったようで、「何笑ってんのよ!」と、この子達はさらにヒートアップしてくる。

あー、もう疲れてきた。
しゃーない、リスクを共有できないのなら、リスクを背負ってもらおう。
この究極の選択にどう出てくるのか?

「払わないのなら、俺達はもう運転しない。お前らが明日からヴィントフックまで運転しろや。そうじゃないと、フェアじゃないだろ?」
と言ってやると、その瞬間、普段沈黙しているリサ(ロン)がの猛獣のように咆哮した。

「◎△※□◎△※□◎△※□!!!!!!」

「!!」

驚きのあまり日本人一同、顔を見合わせた。
しかもドイツ語だったので、何言っているか全然わからん。

それに乗じた形で、ソフィーは
「わかったわよ!運転するわよ!」
と、承諾した。

あらららー、承諾しちゃったよって感じ。
たった、600円程度の支払いを渋って、運転するリスクを取るとは。
しかも、レンタカーの規約を破ってまでである。

そんなこんなで、明日以降俺達は後部座席でお客さん状態でサファリを楽しめる。
だいぶイラっとしたが、なんか結果オーライじゃね?

ポリス代の除いた分は無事回収し、就寝。

今後、日独の邂逅は果たしてあるのか?

【最終章 愛は国境を越える ~We are the world~ (仮)】

としておこう。お楽しみに♪

2010/10/11

【ナミビア】トゥェイフェルフォンテン



レンタカーツアーも中盤です。
とりあえず、私が見たかったところは観光が終わったので、後は消化試合といった感じです。

2日目は私が運転しましたが、それ以外はR君に運転してもらっているので、隣でナビをすればいいだけなので楽チンです。
やはり、ダート道をカローラで回るのは、結構きついものがあります。
振動がモロに伝わり、スリップやスタックの恐怖があるので、かなり気を使います。

テントで寝るのも疲れてきました。
乾燥しているためか、昼夜の寒暖の差が大きいのも、ストレスフルです。
早く終わんないかな、このツアー…。

残り、エトシャ国立公園だけです。

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ケープクロス!これ、全部オットセイ。すげー数だな。写真の左右にもさらに拡がっておりまする。


親が子供を見分けるために、臭いを発しているんだそうだが、エライ臭い。段々、気分が悪くなってきたぜ。


なんとなく、かわいいっすね。


ナミビア唯一の世界遺産、トゥェイフェルフォンテンの壁画だ。ドキドキ…


壁画といっても、石に削られているらしく、自分で探さなければならない。


こいつには何も描かれていないな…


まさか、これじゃないよな?落書きにしか見えん。


おおー、発見!なんじゃこりゃ。薄すぎてよくわからん…。これ、世界遺産にする価値あんのか?


キャンプサイトの夕日。後は、エトシャ国立公園を残すのみ。これ以上、あいつらとの軋轢が深まらなきゃいいけど。ほいじゃ、おやすみ。

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特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【五章 リッチ・ガイ】

実は、私が見たかったところはこれから行く予定の、ケープクロスでめでたく終了の予定。
またこいつらがグズらなけりゃいいが…

朝、宿を出発し、R君の運転で順調にケープクロスへ向かっていた。
スワコップムントから2時間くらいで行けるので楽勝だ。
深夜まで飲んだくれていた二人は後部座席でスヤスヤ眠っている。
なんでも、街でリッチ・ガイに話しかけられて、BBQやらなんかを奢ってもらったらしい。
金に吊られただけじゃねーか。
そんなことしてんなら、ムーランドスケープいけばよかったじゃん、とは言えないなぁ。

ケープクロスはオットセイの生息地で、何万頭もいるらしい、ということでやってきた。
車から降りた瞬間、おえっー、臭え、臭すぎる…
波打ち際に大量のオットセイが、体を横たえていた。
見ごたえは十分だけどさ、ニオイがキツ過ぎるぜ。

お次はトゥェイフェルフォンテンを目指した。
エトシャ国立公園に行く道すがらなので、遠回りにもならない。
途中、二日酔いにオットセイの悪臭を嗅いで気分が悪くなったソフィーが、道端でゲーゲー吐き出した。
ほれ、言わんこっちゃない。

トゥェイフェルフォンテンはブッシュマンが書いた壁画で、ナミビアで唯一世界遺産に登録されており、Eさんの希望で訪れてみた。
はっきりいって、まったくよさがわからんのである。
岩にうっすらと動物のシルエットが小さく彫り付けられているだけで、しかもどこにあるのか岩場を探索しなければならない。

「これ、今までの世界遺産の中で、最低ランクっすわ」
「えー、うそー、それは私に失礼やわ!探すのとかおもろいやろ~」

と、Eさん少々ご立腹。
これを彫った人より、この広大で荒れた岩場の中からこの絵を見つけた人の方がすげーよ。

こういった観光地の見学は基本、ドイツ人とは別行動。
すたこらと壁画の見学を終わらせて、遅い昼食を取っていると、彼女達がどこかの観光客とキャピキャピ話しながら帰ってきた。
そちらの観光客は、これからこの周辺でゾウを探しながら、サンセットを見るといっている。
どうやら彼女達もそれに参加したいようだ。
「君達もどうだい?」
と、誘ってくるが、あいつらが行くなら俺達も着いていくしかねーだろ。
私としては、日が暮れる前にキャンプサイトを探して、テント立てて、さっさとビールと洒落込みたいところなんだが。

「どーすんの、早く決めなさいよ!」

と、我々を囃し立てる。
外面がいいってのはこういうことを言うんだな。

彼女達はちゃっかり向こうの四駆に乗り込み、カローラでサバンナの中を着いていく。
途中、小高い岩山に上ってゾウを探したが、結局足跡しか見つからない始末。
とんだ、無駄足だったぜ。

その後、トゥェイフェルフォンテン近くのキャンプサイトを探し当てて、投宿。
今日も疲れたんで、さっさと寝ますかー。

2010/10/10

【ナミビア】スワコップムント



ワルヴィス・ベイから隣町のスワコップムントに来ました。
ナミビア第二の都市といわれており、建物が新しくてとてもきれいです。

エチオピアに入って以来、当然ですが道を聞いたり店やホテルの対応は、黒人がほとんです。
ゴツくて悪党であるという黒人のイメージが先行していましたが、杞憂に終わりそうです。
大体の人は、小柄で痩せていて、意外とシャイで笑い方なんかもキュートだし、道を聞けばしっかりと教えてくれます。
この辺の対応が旧共産圏の国の方が悪し、欧米人の方が横柄だと感じます。
ただ、男性の場合ほとんどの人が坊主頭なので、人を見分けるのには苦労します。

お次は、ナミビア唯一の世界遺産を訪れる予定です。
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ラグーン沿いの道。それにしても、小奇麗だよな。アフリカじゃないみたいた。


ワルヴィス・ベイにはフラミンゴが生息している。なんか皆さん、興味がないようだ。


ムーンランドスケープ。月面世界って、本当にこんなんなの?


荒野の大地にカローラ。似合ってないなー。


こいつが、ヴェルヴィッチアか!何千年も砂漠で生きられるんだそうだ。こういうのって、一応見ておきたくないっすか?

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特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【四章 民主主義】

三日目。
ナミビアに来て、結構驚いたのは街がきれいなことだ。
民家も西洋風でしっかりしているし、スーパーや銀行もきれいなのだ。
ワルヴィス・ベイという街も、いかにもヨーロッパの港町といった風情だ。
朝、ダラダラと起きて、いざ出発というときに、このドイツ人女子が銀行に行きたいと言ってくる。
あれ程ヴィントホックでキャッシュを用意しておけといったのにも関わらず、ようやくクレジットカードが万能ではないことに気付き、今頃両替したいといっている始末。
こちらとしては、迷惑をかけまいと、ほぼ時間通りに用意を終わらせたし、準備も万全だ。
こいつら、ヨーロッパ以外の旅行、初めてじゃねーのか?

ワルヴィス・ベイでは、ラグーンにフラミンゴが飛来してきていると聞きやってきたのだが、一堂あまり興味がないようだ。
独りでウロウロしていたが、結構の数のフラミンゴが近くで見れたし、写真も取れたので、まあまあ満足だ。
その足で、お隣の街でナミビア第二の街、スワコップムンドに向かった。

予定では、ここで宿を決めて、ヴェルヴィッチア(2000年も砂漠で生きているという植物)とムーンランドスケープを見に行く予定だ。
目星をつけていた宿にいくと、値段の事でで彼女達が騒ぎ出したのだ。
「ここキャンプサイトなのに高くない?そもそも、なんでここに泊まるの?」
日本人一同、目が点に…
「この後、ヴェルヴィッチアとムーンランドスケープを見に行く予定だ」
「なにそれ?植物?あんた植物が見たいの?それより、こんなところに泊まらないで、先に行きたいのよ」

おいおい、いきなりプラン変更かよ。

スワコップムントはそこそこでかい街だし、辺鄙なところよりも宿が高いのは致し方ない。
それに、次ってどこに泊まんのよ?
「じゃあ、民主的に行きましょう。植物見たい人は誰?」
多数決攻撃に出やがった。
「このクソア…」
寸のところで止めておいた。
まだ20歳の若造だし、これから先も長いので、紳士系パッカーの私としては、無駄な衝突は避けたかったのだ。

そこに行きたいと思っていたのは私だけのようだったが、R君もEさんも一応味方してくれて、ゴリ押しでここに泊まる事にした。
「じゃあ、私達は行かないで、ここの街でインターネットしたりリラックスしたりするわ。あなた達だけで行ってらっしゃい。」
機嫌を損ねた彼女達は、早くも別行動を提案。
つーか、最初に決めたプランはなんだったわけ?
こちらは英語が堪能でないし、日本人の典型的な習性として、自分の思いをハッキリと物事を伝えない。
とはいえ、ここまで自分勝手な外国人は初めてっすわ。

一人でヴェルヴィッチアとムーンランドスケープに行こうと思ったが、あまり興味を持っていなかったR君Eさんも、一応付いてきてくれた。

そんなに遠くもなかったし、明るいうちに宿にもどれたが、ドイツ人2人の姿がない。
どこいったんじゃろ?明日の出発時間も決めてないし…と、22時ころまで帰りを待ってみたが、どこかで飲んだくれてるんじゃねーの、ということで、先に就寝。

結局、1時半ころに帰ってきやがった。
後部座席で寝てるだけだし、元気がありあまっているんだろーよ。

それにしても、スワコップムント、ずっと曇り空で寒いっすわ。
これが彼女達との軋轢のプロローグになるとは露知らず、テントの中で寒さに耐えながら寝たのだった。

2010/10/08

【ナミビア】ワルヴィス・ベイ



セスリムで一泊して、サンライズを拝むべく、早起きをしました。
キャンプサイトからいざ出発ところで、車が砂に埋まってしまい、スタックしてしまいました。
というのも、このキャンプサイトは出口がわかり辛く、おまけに所々砂地が深いところがあるので、2WDのカローラではスタックの恐怖が付きまといます。
実は、昨日もキャンプサイトでスタックをやらかして、たまたまいたバキュームカーに引っ張ってもらって、ようやく脱出した始末。
今回も、キャンプサイトの4WDで助けてもらいました。
そのころには、すっかり日も昇ってしまい、じわじわと気温も上がってきていました。

私的にはナミビアのハイライトは砂漠で終了です。
ムーンランドスケープ、ヴィルヴィッチアを見るべく、山道、ダート道を失踪して、その日のうちにワルヴィス・ベイという街に着くことができました。
この日は私が運転しましたが、日本を出て以来だったので、予想以上に疲れました。

--

次の日は、Dune45のさらに奥にある、ソススフレイを目指した。


こいつはデッドフレイ。うへー、木がカラカラになってるじゃん。不毛の大地っすね。


なんか、死後の世界って感じだ。


アリの群れ。白いケツが気色悪い。


フンコロガシかな?


高温乾燥の中、せっせと砂山に登った、ソススフレイ。砂に足が捕られて、なかなか進まないんである。


ナミブ砂漠、乾燥のせいでお肌が白くなるまで堪能しやした。欧米からの観光客は多いが、さすがに日本人の団体は見なかったな。

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特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【3章 沈黙】

二日目、ナミブ砂漠の最奥にあるソススフレイを観光して、次の目的地、ワルヴィス・ベイを目指した。

砂丘に座りながら、ソフィーと少し話してみた。
「ケープタウンでカメラをなくしちゃったの。悲しいわ。この後は、タイとバリ島を回って、オーストラリアでワーホリするのよ。」
20歳にして、外国で暮らすとは、なかなか逞しいじゃないの。
まぁ、英語も堪能だし、ヨーロッパの人にすれば、英語圏で暮らすのなんて、我々が思っているほど難しいものじゃないのかもしれないが。
とにかく、将来へのウキウキとした希望のオーラが溢れ出ていて、羨ましい限りじゃ。

余談だが、私にとってワーホリなんてものは、ただのお遊びに近いもんだと思っている。
外国生活にあこがれたミーハーな日本人が、結局日本料理屋だかどっかでバイトして、英語がそこそこ喋れるようになって帰国するが、その程度の英語力で雇ってもらえるウハウハな就職なんぞ、ありやしないのである。
かくいう私も、帰国したら仕事があるかどうかもわからないが。
こんな穿った解釈しかできないのは、私のキャリアと無縁だったからもしれないけどね。

そんなことより、今日の運転担当は私だ。
たった300kmの距離だったが、600kmくらいあったんじゃないかと思うくらい、ひどいダート道と起伏に富んだ山道で、ワルヴィス・ベイに着いたときはヘトヘトだったぜ。
後部座席の3女子は爆睡状態。
というのも、車内での日独の会話はほとんどなし。
Eさんは英語ができないし、運転席と助手席は私とR君で迷わないように地図と道路標識と睨めっこしてしているし、ほとんど弾んだ会話がないのである。
辺鄙な山奥でラジオの電波も届かないし、車内はほぼ沈黙状態。
つまんねー。

まあいいや、とりあえず、ゼロ・スリップで切り抜けた私に拍手を送りたい気分だ。

【ナミビア】セスリム



早起きして、ヴィントフックを出発しました。
途中レンタルショップによって、テントやらガスバーナーやらを借りて、ナミブ砂漠の街、セスリムを目指します。
2時間も走っていると舗装道路が終わり、石と砂のダート道になります。

セスリムではナミブ砂漠を見ることができます。
そんじょそこらの砂漠とは異なり、砂は赤茶色のサラサラで、鳥取砂丘のように砂山が幾つも連なっています。

この旅初のキャンプサイトで宿泊になりました。
シャワーやトイレ、レストラン等の設備はよいのですが、やはりテントを立てたり、バーナーでパスタを作ったり、結構面倒に感じます。

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ヴィントフックからセスリムまで、ダート道をスリップすること2回、やっとついたぜ。カローラじゃ結構辛いっすよ。おお、有名なナミブ砂漠が見えてきた。砂が赤っぽいのが特徴だ。


Dune45という、スポットで砂山を歩いて登頂を目指す。サラサラの砂だから、3歩分でも2歩分しか進まない。皆、汗だくになって登っていた。


うおー、サンセットに間に合った!ってのは、嘘で、途中で登るの諦めますた。一面オレンジっす。


もうすぐ沈みます。


出た!このバカポリス。無灯火で罰金とられた…ツイてないなぁ。セコいことしやがって。

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特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【二章 ジャッキー・チェン】

一日目。
一同、早起きして前日から借りていたカローラに荷物を詰め、セスリムというナミブ砂漠の入り口の街を目指した。
運転手はR君、助手席で私がナビ、女子3人が後部座席に座った。

途中、テントとかガスバーナーなどのキャンプ用品を借りるためにレンタル用品店に寄った。
こちらが英語で借りたいものや料金なんかを聞こうとしていると、横からソフィーがドイツ語でおばちゃんに話しかけた。
なんと、ナミビアは昔ドイツの植民地だっただけに、結構ドイツ語が通じたり、ドイツからの移住者や経営者らしき人が多くて、いわば、ドイツ人のホームグラウンド的な国だったのだ。
もういきなり、俺たちの出番がなくなっちまって、苦笑するしかないぜ。はは。

気を取り直して、ガンガン飛ばすR君、順調にヴィントフックを抜け、未舗装の道に入った。
宿で、ナミビアを同じくレンタカーで回った日本人夫婦達に色々と情報収集をしていて、この辺りは少しスピードを出しすぎると、途端にスリップを起こすいわく付きの道なのだ。
「スリップ、やばいよねー。この道、結構砂っぽいから、ブレーキかけたら滑りそうじゃん」なんて話している矢先の出来事だった。

四駆の対向車とすれ違った瞬間、砂煙に巻かれ、前方の視界が白い世界に変わった。
動揺したR君が路肩に乗り上げるのを避けるために道路の中央に寄ろうと、少しハンドルを切ると、そのまま車はグルグルと回ってスピンしてしまった。
「うはははーー!」
ドイツ人は大爆笑。こちらは、やっべー、といった顔をしながら見合わせた。
砂の少ない轍の上を走っていたのだが、轍から外れると砂が盛り上がっているので、タイヤが簡単に砂に取られてしまうのだ。
こりゃ、まいったぜ。
つーか、ナミビア、なんでか知らんが結構発展しているくせに、公共の交通機関もロクにないし、道も一部しか舗装されていないし、一体どういうことだよ。

この後、懲りずにもう一回スピンをやらかしながらも、予定通りにセスリムに着いた。
キャンプサイトってところは初めて泊まったんだが、シャワーとかトイレなんかの設備はよく整備されていて、安く上げるにはいいところだ。
とはいえ、如何せん面倒臭がりやで、時間は金で買うタイプの私には、テントを設営したり、ガスバーナーで調理したり、とにかくうざったくてしょうがない。
まぁ、しゃーないわな。
一方のR君はこの手のアクティビティは得意で、テントの位置決めから、テキパキとやってくれるのである。
おまけに、元レンタカー会社の社員だったということもあり、車のメンテからチェックまでできてしまうのだ。
いやー、助かりマッスル。

セスリムの国立公園というのはとてもいやらしいぞ。
「国立」の公園なのにだ。
ナミブ砂漠の砂丘に登ってのサンセットは見られないようにできている。
いや、見られるのだが、それなりの覚悟が必要なのだ。
というのも、この公園の閉園時間が日没周辺の時間に設定されていて、時間を過ぎると一人3500円程の罰金を払わなければならないのだ。
しかしながら、よく絵葉書で使われている夕日スポットのDune45からゲートまでの距離をを考えると、日没後にそこを出発した場合閉園時間に間に合わない。
罰金を払いたくないから、皆ギリギリまで夕日と赤く染まるナミブ砂漠を見て、なぜか制限速度60kmの舗装道路を急いで車を飛ばして帰る。
そうすると、小遣い欲しさに張っているネズミ捕りの警察に、スピード違反で罰金を取られるという仕組みなのだ。
この「ナミブ砂漠のサンセット」を囮にした、この制度が旅行者を悩ませているわけだ。

我々もこの辺りの情報収集は事前にしており、Dune45から公園のゲートまでにかかる時間を計算していたのだが、予想外の罰則で罰金を取られる羽目になった。
予定通りDune45を出て、順調にゲートに向かっていた。
あと一息というところの上り坂を登りきった時、下り坂のその先に青いランプの付いた車が見えたのだ。
うぉ、出やがった、ナミビアンポリス!
へへ、俺たちゃ何も違反なんかしてまへんでー、と意気揚々と通過してやろうとしたとき、一人の警察が我々の車の前に立ちはだかる。
おいおい、なんでじゃ?とR君と顔を見合わせると、警察が窓に近づいてきた。

「お前達、ライトがついていないじゃないか。」
「ハ?ナニイッテルデアリマスカ。」
「ほら、もう日没だから、ライトつけないとね。」
「キタネー!このバカポリス!!」

まだ、日没前だし、スモールランプは点けていた、とR君の必死の抗議も空しく、警察の車へ連行された。
しかも無灯火はスピード超過より罰金の金額が高いときている。
私も抗議してやろうと車を降りたら、もう一人の警官が私を見てカンフーのモノマネをしてくる。
「アチョー、アチョー!」
日本人だって言ってんのに、アフリカ人の頭の中は、香港映画かジャッキー・チェンが東洋の全てと思っているのだ。
どんだけ世界の情報に疎いんじゃ?
しまいには降りてきたドイツ人女子も面白がって、そいつと遊び始め、一緒に写真まで撮る始末。
お前ら、今何が起こっているのかわかってんのか?あ?
とりあえず無事故でキャンプサイトまで戻り、晩飯作って就寝。
R君、波乱万丈の一日目、お疲れっす。

2010/10/07

【ナミビア】ヴィントフック



ナミビアの見所を回るには、レンタカーを借りてキャンプサイトで泊まるのが安上がりと聞き、宿で同行者を募集していました。
こちらは日本人3人なので、あと1,2人集まれば、人数割りが最安になります。

ヴィントフックで待つこと3日、ドイツ人2人が宿に現れプランを説明すると、意気投合し即決で同行することになりました。
ドイツ人は20歳の若手女子です。

急いでレンタカーの手配と情報収集、買出し、レンタル用品のチョイスと忙しくなりました。
プランは8泊9日でナミビアを一周しながら、ナミブ砂漠に行き、世界遺産を見て、サファリ楽しむなど、盛りだくさんになってしまいました。
ドライバーは2人で予定走行距離3000kmと宗谷岬から桜島まで往復するぐらいの距離を走破しなければなりません。

計画と準備だけで、すでにお腹いっぱいな感じですが、まぁ、とりあえず、行ってきます。

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久しぶりに見たぜ、KFC。エジプト以来じゃないかな。ザンビアでは節約のために自炊パスタばっか食ってたから、もう、速攻行っちゃったぜ。世界中どこでも同じクオリティを提供するって大事なことだよなー。うめっす。


街はきれいだし、スーパーの商品も充実している。ナミビア舐めてたなー。その分、物価も高くなってきてるけど。


商店街は小さいけど、小奇麗だ。アフリカ南下していくと、段々と発展していくな。


公園にいた、ナミビアの少年。なぜか反応が薄いっす。それにしてもきれいな公園だった。バングラデシュ・ダッカのゴミだらけの公園とは雲泥の差だわい。


アフリカとは思えぬ教会。ナミビアは昔、ドイツの植民地だったそうな。安宿のクオリティも高い。キッチンや部屋の調度品はヨーロッパのそれと比べて遜色ないんである。何かいいことでもあったのか?ナミビア。

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特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【一章 ビバリーヒルズ高校白書】

今日は誰かきてるかしらん、と期待に胸を膨らませながら、朝食を取るべく同行者の日本人のテーブルに着くや否や、
「おー、やっと起きたか、一緒に行く人、見つかったぜい。そこに座っているドイツ人女性2人」
と、目の覚めるような朗報。
5人で行けば、ちょっと車内が狭いが、人数割りがMAXなんで、結構お安くいけるのだ。
どーも、どもーと挨拶もそこそこにして、朝食の後、早速プランを練った。
私としては、ナミブ砂漠とその周辺の見所を回れればいいのだが、彼女たちはエトシャ国立公園でサファリもしたいとのこと。
既にケニアでサファリしてるし、私としてはあまり惹かれなかったが、結局全員の行きたい所、つゆだくテンコ盛りのプランが出来上がったしまった。


同行するドイツ人の1人、ソフィーは、いわばクラスでもアイドル的存在だったであろう、容姿そこそこ端麗、元気溌剌な感じだ。
もうもう一方はでかい図体してるくせに、我々とほとんど話さない、ハリーポッターのロン似た女子、リサだ。
日本人の方は、エチオピアから同行していた、大宰府出身トンコツラーメンをこよなく愛する、ワーホリ経験があり英語も任せられるR君と、喋れる言語は京都弁一本のみでアフリカを縦断してしまおうという、私にはとても真似できない度胸をもったEさんだ。

日本人旅行者の一般的なドイツ人への印象はすこぶるよい。
そこそこ落ち着いているし、礼儀正しい、ひょっとしたら、お互い敗戦国ってのもあって、近しい感情があるのかもしれないなー。

まずはレンタカー会社に行って車を手配することにした。
日本人チームとドイツ人チームで一人ずつ運転手を出すことにしていたんだが、23歳以下は国際免許証を持っていてもナミビアでは運転できないという。ということは俺とR君だけで3000kmを走破する必要があるってことかよ…。
安さに魅かれて、4WDではなくカローラで回ることに。
途中、ダート道でスピンしたりスタックしたりすることもあると、いや~な情報も聞いているし、何も事故が起こらなけりゃいいが。

この女子二人、とにかく仲がよくて、着ている服も一部はおそろいだったりするし、どこにいくにもいつも一緒だ。
中高生じゃないんだからさぁ、もうちょっと単独行動があってもいいんじゃね?
ちょっとキモい。
これまで何回も西洋人と旅をしたが、この女子たちは若すぎるんじゃないか?
見た目はティーンエイジャー、まるでビバリーヒルズ高校白書だ。
大体、自己紹介をしながら仲良くなっていって、晩飯でも一緒に作るかー、的なノリにもなるんだが、私達は私達的な雰囲気が立ち込めていて、なんかコミュニケーション足りてなくないかな。
まぁ、9泊もあるんだから、そのうち打ちとけらるであろう。
とはいえ、ロングランだし、あー、なんか、先が思いやられるなー。
とりあえず、朝早いので早う寝よ。